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2017.04.23

出展者紹介:寺嶋綾子

34terashima

寺嶋綾子さんのご紹介です。

プロフィール

陶芸と出会ってから20年以上が過ぎました。
ひとり模索を繰り返す日々を経て、5年ほど前から「日々の暮らしのためのうつわ」に重点を置くようになりました。
つかい手の方と直接会えるクラフトイベントへの出展を中心に、今日もひとつ、またひとつとうつわをつくり続けています。

—ものづくりの道に進むことになったきっかけを教えて下さい。また、ものづくりの際に大切にしていること、ものづくりに対する思いを聞かせてください。

学生時代に建築・インテリアの勉強をしていたのですが、その範囲の広さに苦しくなっていた頃に陶芸と出会いました。
土の感触と、手で形づくるということに新鮮な感動を覚え、ひとつの物を最初から最後まで自分でつくる仕事をしたい、と思いました。
手仕事によるものづくり、私の場合は人が使うものをつくる、ということが基本にあります。
うつわを使ういろいろな場面を思い浮かべながら、手を抜かずひとつひとつ大切につくることをいつも心においています。
変わらない思いと、途中で新しく芽生えた気持ちや経験から生まれた考えなどを自分の中にゆっくり蓄えて、積み重なった感性のようなものを込めて、いつも全力でつくっていたいと思っています。

—にわのわは地元千葉をだいじにし、つくり手とつかい手を結ぶ「わ」となることを目指しています。千葉とのつながりを含め、つかい手に向けた簡単な自己紹介をお願いします。また、にわのわに抱いているイメージを教えてください。

私は山の麓で暮らし、仕事をしています。
車の通行量も多い場所ですが、家の周りには田畑もあり仕事場の窓から、あるいは散歩をしながら季節ごとの匂いや景色の移り変わりを楽しんでいます。
季節の美味しいものに思いを馳せ、美味しく食べる方法をあれこれ考え、どんなうつわが良いかなというように考えを巡らせて、結果仕事につながっているように思います。
お客さんにうつわの使い道を教えてもらうのもうつわづくりのヒントになりますし、楽しみのひとつでもあります。
こんなふうにして続けているうつわづくりの仕事を通して、千葉は2度訪れました。
古いものや木々が街中にたくさんあって、出会う人々はのんびりおおらかな様子で、自分の暮らす奈良と共通する雰囲気を感じ、心落ち着く場所のひとつになりました。

にわのわのお客さんは、どの年齢層の方もとても楽しんでいるように見えました。青空と緑と熱気のイメージのにわのわですが、暑さも楽しんでいるようなお客さん、1年間楽しみに待っていたと言って、夕方帰るのが名残惜しいような様子のお客さんがたくさんいらっしゃいました。そんなお客さんの姿を見て、つかい手がいて自分たちつくり手がいて、それをつないでくれるにわのわがあってこそ生まれた場なのだなと嬉しかったです。
にわのわは、独自の楽しい仕掛けや街の紹介などで、地元の人も訪れた人も、ものづくりに触れることがなかった人も、楽しみながらものづくりや手仕事を身近に感じられるようにしてくれる場所だと思います。

—にわのわではどんな作品が並び、どんな展示となりそうでしょうか。見どころやいちおし作品があったら教えてください。

毎日の暮らしで使ってもらいたくて、シンプルなかたち、やさしい手触りとやわらかい色を大切に作ったうつわの数々です。
色の組み合わせも楽しめると思いますし、微妙に色合いがちがう中からぴったりくるものを選んだり、ひとつひとつ手びねりでつくった故の、それぞれに揺らぎのあるかたちの中から手に馴染むものを選ぶ楽しみもあるかなと思います。
独特の不思議な質感をもつ「うわぐすり」を用いたうつわもあり、ぜひ手に持って、見てもらいたいです。
陶器には経年変化と言って使い込むことによって色合いに深みが増し、新品にはない味わいが加わるという持ち味がありますが、その見本のうつわ(自分で使っているものですが)も持参します。
気負わずに近くに来て見てもらえるような、開放感のある展示にしたいと思っています。

寺嶋綾子さん、ありがとうございました。

a_terashima173@yahoo.co.jp
http://tera4.jugem.jp/