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2022.04.07

出展者紹介:岸猛[Canaria Wood Works](木工・漆)

プロフィール

1987年生まれ 愛知県在住
「人と森を再び繋げる」をテーマに生木の器やカトラリー、花器やキッチンウェア等を作っています。
雑木林や庭木など、無価値と打ち捨てられる木を使い木の力を感じられるシンプルなモノづくりを目指しています。

—ものづくりの道に進むことになったきっかけを教えて下さい。また、ものづくりの際に大切にしていること、ものづくりに対する思いを聞かせてください。

以前は営業マンをやっていたのですが、その時に心身に不調をきたしてしまって仕事をやめました。
その後しばらく療養していたのですが、体調がよくなってきたころに木製品が好きだったので趣味として家具教室に通い始めてその流れで今やっている木工旋盤(器を作るための機械)に出会って。
初めて旋盤で木を削ったときに現れた立体的な木目の美しさに心奪われて、どんどんのめり込んでいきました。
ある時に師匠である須田二郎氏に出会い、師匠の雑木林の不用な木を使うというスタイルに影響を受けて私も取り入れました。

市場などでは貴重とされる材木が高額で取引される一方で、里山では無価値とされる木々が打ち捨てられたり廃棄されているのが現状です。かつては生活資源の供給源として人々の生活と密接に関わっていた里山ですが、今では無価値と放置され荒れ果てた森が全国各地に存在します。

市場価値というのはあくまで人が決めたもので樹木そのものの普遍的な価値や存在の意義というものはそことはかけ離れたところにあるのだと感じています。
長い時間かけて森を見守り、森の生態系と人の生活を裏から支えてきた存在である樹木をつかわせていただき、人の手で人にとっての価値を付与して再び人の生活の場で生かす。
それが私のモノづくりです。

木が本来持つ力や魅力(木目に美しさ、調湿作用、経年で色の変化などなど、、)を感じて頂きたいのでできる限りシンプルになるべく手を加えずに届けたい。
でもシミがあって食器としてはちょっと…
というものには漆を塗ったり。

実用品だから使い勝手が最優先だけど手を加えすぎて木の魅力を邪魔しないように…
という感じでそのバランスに悩みながら木と、使い手の皆様と向き合ってモノづくりすることを最も大切にしています。

—にわのわは地元千葉をだいじにし、つくり手とつかい手を結ぶ「わ」となることを目指しています。千葉とのつながりを含め、つかい手に向けた簡単な自己紹介をお願いします。また、にわのわに抱いているイメージを教えてください。

千葉には親戚がいるくらいで、現在はそれ以外のつながりはありません。
ですが、自分自身これまでの活動でイベント出展がきっかけで出来たつながりで自分の世界が広がってきたという経験があります。今回初めてにわのわに参加させて頂いて千葉とのつながりができて、新しい世界に出会えることを楽しみにしています。

—にわのわではどんな作品が並び、どんな展示となりそうでしょうか。見どころやいちおし作品があったら教えてください。

生木の器や花器、マグカップやスプーンなどを中心に展示したいと思っています。
また、自在鉤と花器を組み合わせたものを飾ってみたり、生活の中での取り入れ方なども提案できるような展示になればと思っています。