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2022.04.19

出展者紹介:中村憲一郎[スカンクとアルマジロ](皮革)

プロフィール

私は革でものづくりをしています。
自分の頭と手をつかって、
手作業だからこそできることを意識してものづくりをしています。
それは非効率だったり、
回りくどかったりしますが、
確かな何かがそこにはあります。

—ものづくりの道に進むことになったきっかけを教えて下さい。また、ものづくりの際に大切にしていること、ものづくりに対する思いを聞かせてください。

革でのものづくりをはじめたのは高校生の頃からになります。
初めの頃は自分の欲しいものを制作して楽しんでおりましたが、
友人に頼まれてお財布を制作したことがひとつのきっかけになっていると思います。
自分が一生懸命つくったものを本当に喜んでくれて、毎日つかってくれて、
とても嬉しかったことを覚えています。

自分の頭で考えて、
自分の手を動かして、
ひとつのものをつくり上げる。
可能な限り直接的に使い手の方にお渡しして喜んでもらえる。
そして本当は自分が一番嬉しい。
それはとても単純ですが、それに尽きると思っています。

—にわのわは地元千葉をだいじにし、つくり手とつかい手を結ぶ「わ」となることを目指しています。千葉とのつながりを含め、つかい手に向けた簡単な自己紹介をお願いします。また、にわのわに抱いているイメージを教えてください。

フルオーダーでの財布や鞄の制作からはじまり、
右往左往しながら自分のものづくりを続けてきました。
そんな中、クラフトフェアと出会い、
様々なつくり手やつかい手の方と触れ合うことで
自分のつくりたいものをつくるという方向性に変化していきました。
つくりたいものと言ってしまうと
それは漠然としていて、
絶対的な何かがあるわけではなく
なんだかいつも悩んでいます。
ただいつも、
自分の手を尽くしたものをつくりたいと考えています。
つかうことで、
日々、手に馴染み、
増してゆく艶と増してゆく愛着。
誰かの何気なく大切なものになってもらえたら嬉しいです。

にわのわに応募をしだして7、8年ほど経ち、
念願かなって、ようやく出展の機会をいただくことができました。
とにかく嬉しいというのが正直な気持ちです。
千葉という地域性を感じる少し独特なクラフトフェア。
母の実家が稲毛にあったということもあり、小さい頃からとても身近だった千葉。
にわのわを通して千葉との繋がりにどう変化がでてくるものか、楽しみにしています。

—にわのわではどんな作品が並び、どんな展示となりそうでしょうか。見どころやいちおし作品があったら教えてください。

自分なりに解釈した革の持ち味、伸びや縮み、 
手裁ちや手縫いを生かしたものを展示できればと思います。
掬い縫いや裁断角の操作など、その方法でしか表現できないことがあります。
また少しずつですが、
柿渋や松煙、胡粉、育てた蓼藍より抽出した沈殿藍を用いた染色をはじめました。
どれもこれもご覧いただきたいものばかりです。