,

2022.04.25

出展者紹介:村上慶子[Sabi-nuno](染織・布)

プロフィール

千葉県松戸市生まれ

武蔵野美術大学卒業後2011年より制作開始

太古からある顔料の鉄錆。
錆染めによる染織制作。

企画展・個展を中心に活動しています。

—ものづくりの道に進むことになったきっかけを教えて下さい。また、ものづくりの際に大切にしていること、ものづくりに対する思いを聞かせてください。

私は物心ついたころから、茶道・華道に携わっていた家族の影響で
日本の伝統文化を身近に感じていました。
今思えば、この頃の影響が作品に大きく出ている気がしています。
職人さんの手が好きで、その手の中から
新たなものが生まれるおもしろさに惹かれてものづくりに関心が向くようになりました。

私が製作する錆染は染織人たちが紡いできた伝統的な技術を織り交ぜながら、
オリジナルの技法で染織しています。
特に、錆を色としてだけでなく、錆が生まれる自然現象の美しさに注目しています。
その美しさを景色にみたて、染め、織り、仕立てています。

錆は繊維に絡みつくように固着し、色を出していきます。
その錆は呼吸しながら時を重ね、味わい深く育っていきます。

同じ錆でも季節によって変化があり、
素材によっても発色や肌触りが異なります。
繊維の染め方、織り方、その後の洗い方によっても
風合いや表情が違ってきます。

そのため、一つとして同じものがない布が出来上がります。

触れて、眺め、感じる布があっても良い。

布が佇む景色を思い描きながら、日々手を動かしています。

—にわのわは地元千葉をだいじにし、つくり手とつかい手を結ぶ「わ」となることを目指しています。千葉とのつながりを含め、つかい手に向けた簡単な自己紹介をお願いします。また、にわのわに抱いているイメージを教えてください。

地元千葉の「わ」に、こうして参加できること、大変嬉しく思います。
にわのわには2回目の参加となります。

生活することも変化し、普段使うものなどにも
あらためて考えが変わったり、関心がむいたりしてきたのではないでしょうか?

ひとつひとつ表情が異なる作品の中から愛着の湧く作品を選んでいただきたいです。

—にわのわではどんな作品が並び、どんな展示となりそうでしょうか。見どころやいちおし作品があったら教えてください。

錆染による布作品が並びます。
暮らしに景色を添える布。
纏う布。つつむ布や袋。
普段使いできる道具の布を中心に持ってゆきます。