2022.06.29

にわのわを終えて

6月も終わりに近づき、「にわのわ」の翌日に入った短い梅雨も明けました。

茹だるような暑さが続くここ数日の暑さにも負けないあの日の会場の熱気を、今もはっきりと思い出すことができます。

世界的なパンデミックにより、2020年、2021年の開催を見送り実に3年ぶりの開催となった「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」。
晴天の空の下、たくさんのお客さまにご来場を賜り、盛況のうちに幕をおろすことができました。

ここで、「にわのわ」を愛してくださるみなさまにあらめて御礼を申しあげます。

みなさまのキラキラした笑顔が私たちを支えてくださっています。
誠にありがとうございました。

さて、その一方、ここ数年、日本のクラフト界で問題となっている、作品の転売を目的としたグループの横行が、「にわのわ」でも目立ちました。

巷では“転売ヤー”と呼ばれる複数のグループの著しくモラルを逸した行動は目に余るものがあり、スタッフも過剰な対応をせざるを得ない状況となったことで不快な思いを抱かれたかたもいらっしゃると思います。

この“転売ヤー”と呼ばれるグループは、日本国内で購入した作品を、海外で何倍もの価格で販売していると聞きます。
正規に購入し、海外で販売するということ自体には問題がないかもしれません。
問題なのは、人を押し退け、不正をしてでも目当ての作品を購入すること、そして、その作品に対しての愛情のかけらもないことです。

入手した作品を「カネと引き換えになる単なるモノ」として購入したそばからぞんざいに扱う彼らの行為と振る舞いは、人生を賭けて作品づくりに勤しんでいる「つくり手」のみなさまや心から好きだと思える作品に出会いたいと「にわのわ」へ足を運んでくださるお客さまに対する侮辱以外の何ものでもない、と言わざるを得ません。

私たちは、「にわのわ」というイベントに共感し、喜んで参加してくださる「つくり手」のみなさま、「にわのわ」のつくる場を愛し育んでくださるたくさんのお客さま、その場を支えているスタッフとボランティア、これらすべての人たちを守り、楽しんで参加してもらいたいと考えています。

そのためには、この国の商習慣やマナーに則ることはもちろん、「つくり手」のみなさまが定めるルール、私たちイベント運営者が定めるルールに従わず、出展者・お客さまの迷惑になる行為をする人たちは、誰であろうと野放しにしておくことは決してできない、ということです
ただ、残念なことに、その対策については現時点で有効な手立てが見つかってはいないことも事実です。

今回の「にわのわ」を終えて、このようなコメントを出すことは、むずかしい判断でした。
しかし、アートやクラフトを愛してくださるみなさまにも実情を知っていただきたいという思いから、あえてコメントを出させていただいた次第です。

これからも「にわのわ」では、転売目的での来場者に対し、「つくり手」のみなさまとともに試行錯誤をつづけながら、毅然とした対応で臨むことを、ここに記したいと思います。

緑に囲まれた気持ちのよい空間で、素晴らしい作品の数々やおいしいフードと出会い、穏やかな雰囲気の中、人と人のつながりを楽しむ。

そんな「笑顔」で過ごせるクラフトフェアであるために私たちも努力してまいります。

2023年、10回目を迎える「にわのわ」へ、より一層のご理解と応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

にわのわ実行委員会