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2024.04.20

出展者紹介:中村 志緒理[スカンクとアルマジロ](染織・布)

プロフィール

私は衣服をつくっています。
大切に織られたリネンやラミー、コットンやウールなどを素材として、
自分が着たいと思えるもの、つくりたいと思えるものを制作しています。

—ものづくりの道に進むことになったきっかけを教えて下さい。また、ものづくりの際に大切にしていること、ものづくりに対する思いを聞かせてください。

テーラーだった祖父の存在が服飾の道へ歩むきっかけとなっているかと思います。
私のものづくりには絶対的な拘りやルールはありません。
現代社会において特別ではない、何不自由のない平凡な暮らしをしている中で、
頭に残った線、感じた風合いや体感を大切にしています。
今では生活の一部となっているものづくり。
気力に満ちたときも、そうではないときもありますが、
こうして日常が繰り返されていくのだなと感じています。

—にわのわは地元千葉をだいじにし、つくり手とつかい手を結ぶ「わ」となることを目指しています。千葉とのつながりを含め、つかい手に向けた簡単な自己紹介をお願いします。また、にわのわに抱いているイメージを教えてください。

文化服装を卒業後、
在学中から好きで制作していた革のジャケットをフルオーダーにて制作していました。
ただ素材やデザイン、パターンをひとりひとりに一から制作していく方法は、
一着に膨大な時間がかかってしまい、仕事として長く続けていくことは中々厳しいものがありました。
そんな中、クラフト出展をしていく中で人の手によって紡がれ織られた布帛に大きく興味を持つようになり、
徐々に扱う素材は変化し、現状に落ち着きました。
それでもずっと変わらないことは、これは当たり前なことかもしれませんが、
自分が着たいと思えるもの、つくりたいと思えるものをつくっていたいということです。
またつくり手とつかい手が直接顔を合わせて気持ちを伝え合えることができる場が、
私自身とても居心地がよく、今ではクラフト出展が主軸となっています。

にわのわへは過去に何度も応募してきましたが、
なかなか出展の機会をいただくことができず、
今年ついにその機会をいただくことができました。
千葉との関わりもあまりない私にとって、にわのわのイメージはまだぼんやりとしています。
これを機にいろいろな方と少しでも繋がりができたらと思っています。

—にわのわではどんな作品が並び、どんな展示となりそうでしょうか。見どころやいちおし作品があったら教えてください。

遠州産地にて織られたリネン。尾州産地にて落ち綿を原料に紡がれたガラ紡。インドの手紡ぎ手織りのカディコットン。
大切に織られたそれらの繊維は経年変化にて、より表情が豊かになります。
そんな自分自身が感じている素材の持つ風合いや魅力を伝えられるような衣服を展示できればと思います。
また毎年育てている蓼藍より抽出した沈澱藍や松煙、柿渋を用いた染色、
残布を活用したエプロンや前衛的なスカートをご覧いただきたいです。
衣服や布という素材にあり触れた世の中ではありますが、自分の手の中にある生地はできる限り使い切りたいと思っています。